日本の家造りの歴史の中で普遍であり、太古の建物から現代の建物に至るまで変わらず使われている材料「木」。
現存する最古の木造建築は奈良県の法隆寺で、建造後1400年近く経過しています。
現代の木造建築おいても最も重要な「木」についてのお話です。
現在の木造建築では、木材の中でも柱材であれば、大きく2つに分類されます。無垢材と集成材です。
無垢材について
柱材に使われる無垢材の場合、樹齢30年から100年、またそれ以上の樹齢のものまで(樹齢が大きいものほど大口径になる)幅広くあります。
1本の「木」から1本だけ、その樹齢の中心部分だけを切り取り四角形に製材されたものを差します。
樹種もさまざまですが、一般的に住宅建築に多く用いられるのは、桧や杉、欅といったものです。
一般的に木材市場に出回っているものは、樹齢40年から60年ぐらいのものが多く、樹齢が古ければ古いほど、年輪が良く詰まっており、強度が増すと考えられます。
また、元来「木」は自重を支え、真直ぐ伸びていく性質がありますので、木造の構造に適するのは生育したのと同じ条件で、垂直に力を受ける部分に使用すると一番効果が上がります。
また、「木」そのものには、水分を蓄えたり、吐き出したりする性質があります。
もともと、「木」が自身で成長するために備わった性質ですが、伐採された後もこの性質だけは残ります。
自然の調湿作用があるといわれる所以ですが、この調湿作用、言い換えて水分のやり取りにより膨張、伸縮が起こるのです。
つまり、柱材として製材され加工されたあとも、水分のやり取りにより、そりやねじれが起こる事がありえます。
そのような材料を家造りに使えば家が傾いてしまうと思われがちですが、
このそりやねじれ現象をうまくコントロールする方法があるのです。
一般的には、木自身に含まれる水分量(含水率)が低いものを使用することです。
最近では機械によって強制的に水分を飛ばすものが多いですが、
その昔は、加工する前に風通しの良いところで、1年2年と置きっぱなしにして乾燥させました。
また、木の年輪によって、歪む方向を見極め、その部分に歪み防止の加工をする(一般的に背割れという)家造りの中で使う場所を特定し、そりが生じても全体に狂いが出ない場所に使うという事などが上げられます。
もちろん、太古の棟梁や職人さんは、神社仏閣を建てる場合、その歪みまですべて計算に入れて建築していたと思われます。現在でも、住宅用に木材を加工する場合、加工する職人が、木の癖をいかに見極める事ができるかが最も重要になります。
集成材について
前述したとおり、木は垂直の方向に対抗する力は大変強いものです。しかし、横方向から(繊維に対して直角)の力に対しては少し弱い性質を持ちます。
このため、大空間を作る場合どうしても横方向に用いられる梁などには、大きな材料を使う事になります。(住宅などの屋根裏に丸太材が用いられるのもこのことから)
しかし大きな材料を使えば、やはりその部分に自重と力が集中する事になり、そりが大きく発生してしまいます。これを防ぐために生まれたのが集成材でした。
木を薄くスライスして、その繊維方向を互い違いにする事で、力に対する抵抗を高めたものです。
もちろん、科学的根拠を持って作られたものですから、数字的にも、無垢材に比べれば強いものです。
しかし、スライスした木と木を張り合わせて作られるものですから、接着剤が使われています。
以前、この接着剤の対応年数などが議論されたりもしましたが、
実際に法隆寺のように1400年使用した実績がないのも確かです。
また、スライスする木材についてですが、そのほとんどが外国産の木材を使用しています。
外国産の木は、湿気などに弱い木が多いのです。梅雨時の建築現場などで、黒ずんだ、柱を見かけた事はありませんか?
そのほとんどが、外国産の集成材です。
しかし、前述した無垢材と比べると、そりやねじりなどの狂いが出にくいので、大量生産などをする、
メーカーさんなどはこの集成材を使用することが多いです。
以上が一般的な無垢材と集成材の違いです。皆さんはどちらを使いますか?


- 無垢材・集成材について
- 無垢材を使う訳・集成材を使う訳



「刻みへのこだわり」